• 新茶を祝う日本茶フェスが今年も渋谷で開催
    OCHA NEW WAVE FES 5月7・8日 JINNAN HOUSEにて

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    地域によっては夏日を記録するなど、徐々に夏らしい服装も目立ち始める今日この頃。街を歩いていても、やおら新緑の芽や葉を出し始めている植物が目に入ってくる。お茶についても同じ。温暖な地域ではすでに新茶摘みがスタートしており、お茶の世界の盛り上がりは日に日に増している。

    今年で第2回目となる「Ocha ニューウェイヴ フェス(以下ONWF)」が、5月7日(土)・8日(日)に渋谷の[JINNAN HOUSE]で開催される。フェスのメインイベントは、人気日本茶専門店6店舗による飲み比べカウンター。各店主渾身のセレクトによる新茶に加えて、店ごとの個性が光るスペシャリテドリンクをコイン制で気軽に楽しむことができる。

    昨年の様子。普段はそれぞれの店舗に立つ店主・スタッフが一堂に会し、横並びのカウンターでお茶を淹れる姿が最大の見どころ

    [a drop . kuramae](蔵前)、[Satén japanese tea](西荻窪)、[TEA BUCKS](代官山)、[norm tea house](蔵前)といった昨年から引き続いて参加の店舗に加えて、今年は[ヽ-TEN-](下北沢)と[余珀](登戸)の2店舗が初めて参加する。初参加の2店舗を訪ねて店主にお話を聞いた。

    定番となっている暖簾あげポーズで出迎えてくれたのは、下北沢[ヽ-TEN-]の青木真吾さん。3月末で開店1周年を迎え、ティースタンド兼スタンディングバーとして幅広い客層が足を運んでいる。昨年はお客としてONWFを訪れた青木さん。初参加に備えて、最近[TEA BUCKS]大場正樹さんのもとを訪れたのだそう。

    「茶葉の量とかいろんなやり方を教えていただきました。お店で改めていただいたらお茶も美味しかったですし、かっこよかった。自分も初心に返らないといけないなと思いましたね。普段お店を一人でやっていると得られない刺激があるというか。なので、フェスで皆さんと一緒にできるのは楽しみですね」

    取材時点ではまだどのお茶を出せるかが決まっていない状態。順調に暖かい晴れの日が続けばいいけれど、予想できないのが自然相手のお茶の世界。農家さんと連絡を取り合いながら、新茶を待っている。

    「新茶は農家さんの一年間の想いもあると思うので、大事に伝えたいですよね。お客さんにとっても、新茶はやっぱりきっかけになると思いますね。“お茶を愉しんでみたい”と思っている方には、ぜひ新茶を飲んでいただきたいです。下北沢のお客さんにもONWFに足を運んでいただき様々なお茶と出会ってほしいです」

    次に訪れたのは登戸にある[余珀]。3月で2周年を迎えた同店は、正垣克也さん文さん夫妻のお宅にお邪魔するかのような落ち着いた空間で、煎茶や抹茶を楽しめる。

    克也さんにフェスの楽しみを聞くと、「余裕があれば他のお店のお茶を飲んでみたいですね」とまずは素直にお茶を楽しみたい気持ちを話してくれた。

    「こういったイベントごとに出ることがあまりありませんでしたので、どういう場でどういう方が来てどういう反応をされるのか。シンプルにそれが楽しみですね」

    [余珀]の新茶は、[屋久島八万寿茶園](鹿児島)の「くりたわせ」。有機栽培のお茶に[余珀]らしさを感じられる。個性的な香りで、この一杯だけでもお茶の世界が広がるような感覚になる。

    「少しミルキーというか個性的な香りがありますよね。お茶に興味を持ち始めたころに自分もこれを飲んでいて、『こういう煎茶もあるんだな』と記憶に残るお茶でした。我々はシンプルなものをシンプルに出しているお店なので、シンプルに出してもわかりやすいというのはいいのかなと思って選ばせていただきました」

    文さんは、[余珀]のスペシャリテドリンクとして抹茶を楽しんでもらいたいと話す。ラテやブレンドティーなどを出すお店が多い一方で、一人ずつ抹茶を点てるという体験込みで提供するつもりとのこと。

    「余珀は“お茶そのもの”を出しているお店なので、こうしたイベントに出るにあたって、特にスペシャリテに関しては色々と考えました。我々は茶道から入ってお茶を飲むようになったという意味で原点でもありますし、野点というのもお茶の活動の一つであり、お店でもお客様ご自身に点てていただくことをしているので、今回はそのスタイルでやらせていただこうと思い至りました」

    抹茶碗もこだわりの品を持参する予定とのこと。お店ごと人ごとのお茶の表現が、すごく面白いことになりそうだ

    「新茶っていうだけで、ふだんお茶に親しみがない方でも『飲まなきゃ』と感じてくださいますし、農家さんもこの時のために頑張ってきたという喜びをお客様と分かち合えるのはすごくいいことだと思います」(文さん)

    「新茶ならでは瑞々しさがあると思いますし、それと“お祭り感”というのもある気がします。なので、新茶フェスというのは本当にいいなと。一般の方たちにもわかりやすく、その喜びやお祭り感が伝わるいい機会ではないかと思います」(克也さん)

    会場併設の茶食堂[SAKUU 茶空]では、ONWF限定のフードメニューが展開される。また、モデルのカイノユウさんによる日本茶ブランド「SA THÉ SA THÉ」は、会場内の茶室スペースにて、お米ブランド「まっしろ」とヘルシーなケータリングブランド[美菜屋]コラボによるお茶漬けをお供に、新茶を気軽に楽しむ時間を提案してくれるとのこと。

    18時以降は、[SAKUU 茶空]店主・佐藤奈緒美さんと、日本橋兜町[青淵Ao]などで活躍するバーテンダーのキャメロンさんによるバータイム「チャケクラブ」がオープン。さまざまな角度からお茶を楽しめる2日間になりそうだ。

    Ocha ニューウェイヴ フェス
    2022年5月7日(土)・8日(日) 2日間
    11:30〜18:00 / 18:00〜22:00(バータイム、LO 21:30)
    【参加店・ブランド】a drop . Kuramae、Satén japanese tea、TEA BUCKS、ヽ-TEN-、norm tea house、余珀、SA THÉ SA THÉ 他
    【開催場所】JINNAN HOUSE(〒150-0041 東京都渋谷区神南1-2-5)
    【主催】JINNAN HOUSE(https://jinnan.house/)
    【協力】CHAGOCORO
    最新情報はJINNAN HOUSEインスタグラムアカウント および イベントページをご覧ください。

    Photo: Taro Oota
    Text: Yoshiki Tatezaki

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