茶葉だけではなく“体験”もセットで贈りましょう [茶屋すずわ]謹製 静岡茶5種のブレンドを楽しむ<前編>
2022.07.22 INTERVIEW茶のつくり手たち
- 煎茶
- 静岡
5月2日に「八十八夜」を迎え、お茶の世界にいよいよ“お正月”が訪れた。立春から数えて88日目のこの日は、新茶を摘む季節の訪れを象徴する日だ。
暖かい地域では八十八夜を待たずして収穫が始まっている。一方、標高の高い場所や比較的寒冷な地域では、まだもう少し、新芽の成長を待っているところもある。
いずれにせよ、今はまさにお茶の季節。今週末5月7・8日(土・日)には、渋谷で新茶を祝う「Ocha ニューウェイヴ フェス(以下ONWF)」が開催される。産地やつくり手によって多種多様な日本茶を個性豊かなお茶屋がセレクト、一気に飲み比べることができる。
ONWFに参加する[a drop . kuramae]と[TEA BUCKS]の面々が、4月末、静岡・清水の茶園[しばきり園]を訪れた。新茶の手摘みを体験させてもらった一日に同行した。
あわせてお楽しみください🍵
a drop . kuramae べったなさんのインタビュー
TEA BUCKS 大場正樹さんのインタビュー
しばきり園 杉山忠士さんのインタビュー
「新茶(の収穫)が始まったのは昨日からですね。状態はいいと思います」
前日に採れた新茶を淹れて一行を迎えてくれたのは、[しばきり園]の杉山忠士さん。今年で新茶は4回目。土の状態や木の仕立て方など、この4年で取り組んできたことがようやく今年お茶の味として表れてくると期待をにじませる。
「2年前に出会えてほんとによかったです」と、その成長を感じてこられたことに改めて感謝するのは[a drop . kuramae]のべったなさん。ONWFでは、[しばきり園]の手摘みのお茶を提供する予定だ。「普段は淹れる立場ですけど、ひとに淹れてもらったお茶は美味しいですね」とお茶屋さん一同が満たされたところで畑へと向かった。
[しばきり園]の新茶2日目も、早朝からスタートしている。数十年来、手摘みを手伝っている大先輩のおかあさんたちが、すでにカゴひとつ分余りを摘んでいた。
新芽はつやつやで柔らかくてしっとりとしている。鳥の鳴き声が山間に響くなか、我々も茶摘みに参加させていただく。
腰をかがめて一本一本ひたすら手で摘み取っていく。これまでにも多くの畑の手伝いをしてきたべったなさんを先頭に[TEA BUCKS]の大場さんと川崎さんもテンポよく摘んでは畝を横へと進んでいく。
素手でつまみ上げれば「ぷちっ」と取れてしまうほど柔らかい新芽。「ばさばさ」と枝葉が揺れる音と混ざり合って、文字ではなかなか表現しきれない音が摘む度に鳴る。「一日摘んでると、夜寝る時にもこの音聞こえるようになりますよ(笑)」とべったなさん。
午前中摘みつづけ、目標の36キロを達成。この後、杉山さんは共同工場へと生葉を運び、この日のうちに蒸したり揉んだりの製茶工程を行う。作業は夜までかかるそうだ。
私たちのいつも見る茶葉になるころ、その量は生葉の20〜30%ほどになってしまう。手摘みを体験してみて感じられたのは、その気持ちよさとその大変さ。それを身をもって知るお茶屋から新茶をいただくことは、他ではなかなか得られない体験になるはず。
ぜひ最高の季節に、お茶の魅力を体感してほしい。
Ocha ニューウェイヴ フェス
2022年5月7日(土)・8日(日) 2日間
11:30〜18:00 / 18:00〜22:00(バータイム、LO 21:30)
【参加店・ブランド】a drop . Kuramae、Satén japanese tea、TEA BUCKS、ヽ-TEN-、norm tea house、余珀、SA THÉ SA THÉ 他
【開催場所】JINNAN HOUSE(〒150-0041 東京都渋谷区神南1-2-5)
【主催】JINNAN HOUSE(https://jinnan.house/)
【協力】CHAGOCORO
最新情報はJINNAN HOUSEインスタグラムアカウント および イベントページをご覧ください。
Photo: Taro Oota
Text: Yoshiki Tatezaki
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内容:フルセット(グラス3種、急須、茶漉し)
タイプ:茶器
内容:スリーブ×1種(素材 ポリエステル 100%)
タイプ:カスタムツール