• SA THÉ SA THÉの日本茶を囲んで
    “幸せの再来”を願うイベント FÊTE DU MUGUET<後編>

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    SA THÉ SA THÉの日本茶を囲んで “幸せの再来”を願うイベント FÊTE DU MUGUET<前編>

    「お茶の縁でつながる」 CHAGOCOROの取材を通じて出会う方々の口から、よくそんな言葉が聞かれます。地域を超え、年代を超え、時には業種業界を超え。お茶という誰もが親しめる飲み物だからこそ、そうした輪が広がりやすいので…

    2022.08.19 INTERVIEWイベント日本茶、再発見

    SA THÉ SA THÉのカイノユウさんが中心となって、代々木上原で催された「FÊTE DU MUGUET LE RETOUR DU BONHEUR」。MUGUET=フランス語でスズランを冠したイベントは華やかで軽やか。若い世代を中心に多くの人で賑わったイベントの背景には、「日本茶はもっと日常的に、生活の中にあっていいもの」と常日頃考えるカイノさんの思いがありました。

    第2回開催へのイメージも膨らみつつある今、あらためてお話しを伺いました。

    生活に彩りを与える お花とお茶

    ブランドを始めて2年、初めてのイベントとは思えないほどの盛況ぶりだった今回。同世代の仲間同士で集まれたことが、成功の大きな要因でした。

    「同じ年代で飲食の世界を中心に、自分の道をひらいたり独自の表現をしている人が多くいるので、一緒に何かしたいと思っていました。そうした身の回りにいる人たちと一緒にできたことはよかったと思います。カウンターの中に4組(SA THÉ SA THÉ、Haa、中華可菜飯店、Cyōdo)がいたのですが、まずお客さまを大切にして良いフード・ドリンクを出すのはもちろんですが、『参加者が楽しんでいるのが伝わってきた』とか『みんな仲良さそうだった』と言ってくださる方がいて、親しみやすい雰囲気が伝わっていたとしたら嬉しいですね」

    「お茶に堅いイメージを持っている人に、どう気軽に美味しいお茶を飲んでもらえるか」はカイノさんがイベントに際して考えた一つのテーマだったと言います。和気藹々とした雰囲気は、訪れたゲストも自然と輪に入れるような空気感をつくっていました。

    もう一つ、「お茶」と「お花」をリンクさせることもカイノさんが大切にしたアイデアでした。

    「自宅にいる時間が増える中でよくお花を飾るようになりましたし、同じようにお花を買う人が増えた気がします。お花って気分を上げてくれるし、気持ちを明るくしてくれますよね。お茶も同じような感覚で飲んでもらえたらと。お茶もお花と同じように、日常でラフに楽しんでもらえたらいいなと思っていたので、お茶とお花をつなげたいという思いがあったんです」

    「Brose&Butter.」の山本万菜さんがお花を販売しました。ちなみに筆者が買った根付きのスズランは今も家で栽培しています

    お茶を淹れることも、お花を買うことも、「わざわざ」と呼ばれるものかもしれません。ですが、生活の彩りはそうした「わざわざ」の賜物でもあります。お茶とお花はたしかに、そうした日常の余裕をリマインドしてくれる存在なのかもしれません。

    “ふつうのお茶”が愛される世界

    SA THÉ SA THÉの定番商品に「TIME」と名付けられた煎茶茶葉があります。日常を彩る“時間”と解釈すると、それはこの日のイベントにも通底していたように感じられます。やぶきた100%の深蒸しのこのお茶、カイノさんも「語弊を恐れず言えば、ごくふつうのお茶」と表現します。もちろんその味づくりには深いこだわりが込められていますが、むしろこうした「ふつうのお茶」が愛される世の中になってほしいというのがカイノさんの願いだと言います。

    「(地元の)静岡では昔からの馴染みのお茶屋さんがあってずっとそこから買い続けるということが多くあるのですが、このお茶もそうなってほしいなって。“時”を超えて普遍的な味というか。『ふつうのお茶』の良さに気づいてもらえるようなことをしていきたいと思っています」

    気軽にお茶を飲みにきてほしいと思いを込めたイベントは、それぞれが日常のスタンダードにできるようなお茶と出会うきっかけにもなったことでしょう。

    新しい感覚のお茶も

    イベントで好評だったお茶の一つに、和紅茶ミルクがありました。滋賀県で紅茶作りに挑戦した農家さんに飲ませてもらって「これは面白い」と限定商品にしたお茶です。

    「最初にいただいたとき、独特のクセがありながら、そこにレモンティーに通じるような爽やかさを感じました。別にあるSA THÉ SA THÉ定番の和紅茶はすっきりした飲み口なのですが、それとは違うキャラクターで、ミルクで割ったら絶対美味しいだろうと思いました。イベントでは和紅茶ミルクとしてお出ししたのですが、とても好評でした。ミルクがなくてもアイスティーとして飲んでも美味しいです」

    <煎茶> TIMEがスタンダードだとすると、<和紅茶> -Limited Tea-は新しい感覚のお茶だと話します。アイスティーやミルクで割るという提案もまた、“日本茶を気軽に”という思いが反映されています。

    カウンターでゲストを向けるカイノユウさん

    「実は、まだ私の頭の中だけですけど第2回の構想もあるんです。秋のキンモクセイの季節にできたらいいなぁと思っていて。キンモクセイは香りも活かせますし、お茶の味づくりにもお花のテーマを取り入れられたらいいなって思っています。メンバーのみんなも『またやりたいね』と言ってくれているので、続けられたら嬉しいです。さらにお茶の幅を広げられるように色々と考えていきたいです。SA THÉ SA THÉを始めてから、お茶のことはずっと考えていますね。2年経っても濃度は高いままです。モデルよりも忙しいかもしれないです(笑)。でもその分、モデルのお仕事もすごく楽しく感じられて、自分にとってすごくいい感じです」

    初夏のスズランから秋のキンモクセイ。お茶とお花で季節を数えていくなんて、とてもSA THÉ SA THÉらしいと感じたのでした。

    【FÊTE DU MUGUET LE RETOUR DU BONHEUR 参加ブランド・会場】
    SA THÉ SA THÉ @sathe_sathe_official
    中華可菜飯店 @chukakana_hanten
    Cyōdo @cyodo_official
    Haa @haatea_official
    Brose&Butter. @broseandbutter
    Sakura Maya Michiki @mayamichi
    OPRCT @oprct.tokyo

    Photo: Kumi Nishitani
    Text: Yoshiki Tatezaki

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