• Licaxxxさんと一緒に
    お茶にハマる。
    グラスで楽しむお茶の淹れ方
    Ocha SURU? Lab. Part 2

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    お茶好きのLicaxxxさんと一緒に、自由で心地よいお茶のライフスタイルを研究する「Ocha SURU? Lab.」。検茶のやり方を試しながら、お茶の種類による香りや味の違いを体感した前回に引き続き、“淹れ方”で異なる味わいを深掘りしてみます。

    美味しいお茶を知っている人はイイ

    — 検茶で産地も品種も異なるお茶を比べていただきました。まだまだお茶を飲めそうということで、次はちょっとインパクトのあるものを試してもらいましょう。

    角野 はい。福岡県の八女の伝統本玉露というお茶です。これを、ふつうに入れるのではなくて、「すすり茶」という淹れ方で飲んでいただこうと思います。茶葉をグラスに入れてしまって、40℃くらいまで冷ましたお湯を茶葉が浸るくらいの少量入れます。

    約3gの茶葉に40℃に冷ましたお湯15ccをグラスに直接注いで、3分ほど待つ

    Licaxxx 40℃ってことは、お風呂よりちょいぬるってことですね。

    角野 それくらいですね。玉露を作る時には寒冷紗かんれいしゃという黒い覆いを茶樹に被せるんです。日光を遮ることで光合成を抑えてカテキンという渋味の成分を少なくします。その分旨味成分であるテアニンが引き立つお茶が作られるということです。八女の本玉露は空気をよく通す藁を被せて、非常な自然な作り方をしています。……もう少しです。量的にはこれぐらいしか出てこないんですけど。

    Licaxxx わ〜! めっちゃ旨味。すーごいっすよ、これ。パンチ系ですよ。超旨味です。

    角野 「俺だ!」みたいな。玉露が叫んでる。

    Licaxxx だし、ばーん! みたいな。すごい、すごい。これは最高ですね。私は好きですね。食べ物って感じ。

    角野 このままお塩をかけて食べても美味しいんですよ。

    — Licaxxxさん、普段は人を招いてお茶を淹れる機会はありますか?

    Licaxxx 人が来ると「なんか飲む?」ってなるじゃないですか。その選択肢として、お茶かコーヒーか、あとは水ですよね。

    — みんなコーヒーを選びそうですが、どうですか?。

    Licaxxx 私コーヒーも好きだけど、あまり日常には飲まないんです。コーヒーって飲む人はすごく飲むけど、たくさんは飲めないですよね。私は打ち合わせとかでもどちらかというとお茶なんです。

    水野 選択肢にちゃんとお茶があるって嬉しいですね。

    Licaxxx お茶のうまさを知っている人はいいですよね。人間として。よくないですか? 「お茶美味しいの知ってるんだ」って、ポイント高くないですか? ワインでもなんでも詳しいのはカッコいいですけど、お茶詳しいの、いいですよね。

    — おぉ〜。いいですよね。お茶好きの方にとっては嬉しい言葉。今の淹れ方ですけど、耐熱のグラスを使ったんですよね。こういった“急須がなくても淹れられる”、カッコいい道具があるといいのでは、と考えていて。このVISION GLASSというインド製のグラスウェアは性能も良くてデザインもシンプルでサイズも色々とあって。これを活用すると面白い淹れ方ができるのではと、水野さんが考えてきたものがあるので、それを試してみましょう。

    水野 3セットあって、氷水出し、オンザロック、温かいお茶という3つの淹れ方ができます。まず大小のグラスで氷水出しから。背の高い方を急須がわりに使います。茶葉を入れて、氷も入れます。そこに水を入れます。このとき、飲む方のグラスで計ると後であふれないですね。お湯を沸かす必要もないので、朝忙しくてもパパッとできます。氷水なので、少し長めで2分くらい待ちます。

    — 茶葉が沈んでくると出ているということですね?

    水野 そうですね。水分量3%以下の状態の茶葉が、久々に水と出会って吸収して、お茶の味を出している。こういう見た目もきれいですよね。

    — 急須は中が見えないので、何がどう出てきているかっていうのがイメージできないんですよね。

    水野 コーヒーはドリッパーとかサイフォンとか、中が見えていいんですけど、急須は基本見えない中で浸出っていう閉じたイメージ。やっぱりこれからは開いていかないとっていうことも言えるかもしれません。この「黄金みどり」は色素が薄くアルビノ化した珍しいお茶で、爽やかな味わいと奥深い甘みが特長です。

    Licaxxx いい感じですね。

    水野 ここで網に向けてお茶を注ぎます。こうすることで茶殻とお茶をきれに分けることが出来ます。最後の一滴まで注ぎきりましょう。

    Licaxxx 薄いきれいな色が出ました。じゃあいただきます。やさしい、甘い! 非常に朝っぽいです。

    — 甘さが出ているのにはちゃんと理由があるんですよね?

    水野 はい、先ほどカテキンとテアニンの話をしましたけど、お茶は、渋味のカテキンと、苦味のカフェイン、旨味のテアニンという3つの構成要素でできています。熱いお湯であればあるほど渋味のカテキンと、苦味のカフェインがたくさん出やすくなります。逆に、温度の低い水で出すとそれらがほとんど浸出されず、旨味・甘味が引き立つんです。

    Licaxxx そうなんだ。うまい。

    水野 次は似てるんですけどちょっと違います。お湯で淹れたものを氷で急冷する“オンザロック”をつくります。フラスコに茶葉とお湯を入れて、グラスに氷を入れておきます。今回はお湯なので30秒ほど待ちます。

    Licaxxx ……心の中で数えました! そして、網をのせて注ぐ。

    Licaxxx いただきます。さっきよりもすごくお茶らしいというか、青い感じが出てます。さっきはデトックスウォーターみたいな感じでしたけど、これはもうしっかりお茶。うまい! これは真夏に出てきたら最高ですね。

    — これは30秒と早くて、でも冷やして飲める。

    Licaxxx これはもうめちゃくちゃ飲みますね。美味しかったです。

    水野 最後はお湯で淹れて温かく飲んでいただきます。これはグラスを4種類入れ子にしたもので、一人でも、二人三人でも飲めるような感じです。一番大きいグラスに茶葉を入れ、飲む方のグラスで湯冷ましをしてからお湯を注ぎます。30秒ぐらいですね。

    Licaxxx 数えてます!(集中)……開いていくのが見えるのがいいですね。お花みたい。

    水野 茶こしを使って注いでいきましょう。

    Licaxxx ……(片方が少なくなって)そうなんだよ。お茶っ葉に吸われてちょっと量が減るんだ。知ってたのに、片方にたくさん入れちゃった。知ってたのに、やったわ〜。

    水野 大丈夫です。それも楽しさですし、慣れれば問題ないです。でも“急須がわり”と考えると、注ぎ口をつけるなどの工夫をするともっと淹れやすくなるかもしれないですね。

    Licaxxx (飲んで)はぁ〜。お茶ですわ。

    — よかったです。一通りやってみましたが、どうでしたか?

    Licaxxx いや〜、お茶は本当においしかったです。グラスも、持つのがちょっと熱かったのはありましたけど、冷たいのを淹れるのには超楽ですね。口が広くて背の低いのはうちにもたくさんあるんですけど、飲み物が映えやすいというか。これは普通に飲みやすかったです。

    — いろんな種類や淹れ方のお茶をLicaxxxさんに体感していただいて、それを通じて多くの人に面白さが伝わればと思っています。

    Licaxxx ぜひみんなに飲んでほしいですね。うまいんだよな〜!


    手間いらずで淹れられる方法から、ここ一番の出し方まで、試してみたいお茶のアイデアが見つかったでしょうか? これからLicaxxxさんと一緒にお茶の楽しみ方を研究していきます。グラスでの淹れ方など、Ocha SURU? Lab.ならではの新しい形にご期待ください!

    Licaxxx|リカックス
    東京を拠点に活動するDJ。Fuji Rockなど多数の日本国内の大型音楽フェスや、CIRCOLOCOなどヨーロッパを代表するクラブイベントに出演。ビデオストリームラジオ「Tokyo Community Radio」の主宰。レストランシェフに教えてもらってお茶の面白さに目覚め、自ら淹れたお茶を日々たっぷり楽しんでいる。
    instagram.com/licaxxx1
    twitter.com/Licaxxx

    Photo: Masaharu Hatta
    Interview & Text: Yoshiki Tatezaki
    Laboratory members: Keisuke Mizuno & Kenichi Kakuno (Itoen)

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