• miu

    モデル

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    人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、多様性の大切さを感じる特別企画。

    自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、目を瞑って、ひと呼吸。
    香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、目に見える以上の、
    その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。

    一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

    miu(モデル)

    ファッション雑誌、広告等でモデルとして活躍する傍ら、過去に雑誌にて「miuのトーキョーつや麺」を連載していたほどのラーメン好き。音楽やカルチャー、落語など興味を持ったものはとことん突き詰めるというmiuさん。最近では農家さんのお手伝いに足を運んだり日頃から食べるものや飲むものも、その背景を知った上で意識的に選ぶこともあるというmiuさんにとって、お茶は毎日どこにいても欠かせない飲み物だといいます。お茶から見えてくること、お茶を飲む理由についても、お話を伺います。

    「もともと、お母さんも、おばあちゃんもお茶好き。おばあちゃんが畑仕事から帰ってきたら、みんなでお茶を飲んで、お喋りしていた光景もとてもよく覚えています。今は一人暮らしでみんなでお茶を飲む機会はないけど、そういう時間を作ることはできるかなと思っていて。ラーメンほどの知識はまだないんですけど。黒豆茶、ほうじ茶、蕎麦茶……十何種類くらいストックがあって、家にいると一日中飲んでいますね。朝起きたら蕎麦茶かドクダミ茶を1リットルぐらい。作業するときや寝るとき、急いでいるとき、移動するとき、いつ飲んでもお茶って美味しい。時間の使い方やルーティーンって結局は自分で作るものだけど、お茶もそんな“日常”を作ってくれる存在だなと思います」

    お茶は朝から夜まで共に過ごす“日常”を作ってくれる存在。特別なものではないからこそ、できるだけ季節や自分の身体に馴染むその土地ごとで獲れるものを。日本に住んでいるのであれば日本で獲れるお茶を買いたいとお茶の中でも日本茶を意識的に選んでいるのだそうです。そんなmiuさんが紹介してくれたのは三重県亀山市に本店がある[而今禾(じこんか)]というお店の「伊勢水香白茶」。

    「『而今』は今このとき、『禾』は穀物を表す文字で、なくてはならない命の糧だったり大切なものという意味。『而今禾』という名前は、昔とか、あるいは先のことではなく『今この時をどう生きるか』という意味があるらしくて、とても素敵だなと。ふだん落語もよく聞くからか、通ずるところがあるなと感じていて。昔の人の知恵をおかしく話したりする中で自分にも当てはまるなと思う部分があって、知るか知らないかで感じ方が全然変わってくる。お茶の作り方も全然想像がつかないから、実際に農家さんにも足を運んでみたいですね」

    土地や季節、品種などさまざまなお茶を飲むうち、美味しいお茶を突き詰めていくと、自ずと、茶葉と共に淹れる“水”にも意識が向くのだそうです。

    「お茶を飲むと思い浮かぶのは、水が綺麗な場所。地元に海はないけど、水自体が好きで。お茶って、水みたいなところがある気がするんですよね。そのときの気分に寄り添ってくれて、馴染んでしまうというか。場所、時間によって感じ方も味も変わる。あとは蕎麦もそうだしお米もそうだから、水がきれいなところで穫れるお茶って美味しいと思う。自然に身近にあって、水面の揺らぎのように、飲むと体や心に寄り添ってくれる感じがしますね」

    水のように、しなやかに。どんな場所にいても、どんなに忙しくても、日常って自分で作っていくものだと思うんですよね、というmiuさんの言葉がとても印象に残ったお茶の時間。心にも身体にも寄り添ってくれるしなやかなお茶とともに、ラーメンとはまた一味違ったmiuさんのお茶探究の道のりはまだまだ続いていきそうです。

    miu|ミユ
    滋賀県生まれ。モデルとして雑誌や広告等で活躍。以前雑誌『PERK』にて、「miuのトーキョーつや麺」を連載していたほどのラーメン好き。女性ファッション誌”ViVi”の専属モデルとして活躍する一方で 音楽やカルチャーにも造詣が深く、PUNPEEのMVヒロインや数多くの男性ファッション誌にも登場するなど男女問わず幅広い層から人気を集めている。
    instagram.com/_miugram_

    Photography: Kisshomaru Shimamura
    Text & Edit: Moe Nishiyama & Yoshiki Tatezaki

    人それぞれお茶それぞれの多様な「色」を感じることで、
    多様性の大切さを感じる特別企画。
    自然の恵みと人の手によって育つお茶をひと口、
    目を瞑って、ひと呼吸。
    香りや温度、重さや舌触り、空気との触れ合いを経て、
    目に見える以上の、
    その人にとっての「お茶の色」が心に浮かぶ。
    一人ひとりの感性によりそう、お茶の多様性。
    あなたにとって、お茶はどんな色ですか?

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