• 有村架純さんと松本穂香さんの
    夏のお茶時間<後編>

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    前回につづき、女優の有村架純さんと松本穂香さんのインタビューをお届け。どこにでもある「お茶」はどうやって自分たちのもとに届くのか? CM撮影を通してお二人が感じたことを聞きます。

    ―共通項も多いお二人ですが、お互いのことはどんな存在だと思っていますか。

    有村 どんな感じだろう?

    松本 私の中では、もう無敵の存在です。

    有村 無敵じゃないよ(笑)

    松本 もう本当にすごい先輩で、憧れ。好きです!(笑)

    有村 いやいや、でも嫌われるより嬉しいですよね。苦手ですと言われるよりは、そう言っていただけると安心します。

    当たり前のものがそこに辿り着くまで

    ―今回の撮影では、茶葉がどのような過程を経てお茶という飲み物になるかを体験した形でした。そこでの気づきはありましたか。

    有村 今28歳なんですけどこの年齢になって、目の前にある当たり前のもの、例えばスーパーに並んでいる食品、それこそお茶だったりとか、当たり前にあるものがそこに到達するまでに、誰がどれだけの時間と手間をかけて届けてくれているのかということをすごく考えるようになりました。家庭菜園をしてみたいなとか思うのも、そういったことに関心を持つようになってからなんです。だから、自分たちが当たり前のように飲んでいるお茶も、皆さんが愛情をかけてここまで届けてくれたからこそあるんだと再確認できたような気がします。

    松本 この前の撮影で静岡の茶畑にも行かせていただいて、茶摘みも体験させてもらいました。やってみると、「そうだよな、こういう作業もあるんだよな」って感じられるというか。いろんな方の手があってこそ、当たり前じゃないなと思いました。お茶はずっと身近にあったものですけど、それがつくられる過程を知ることによって、より近く感じられるように、生活の中で意識するようになったような気がします。

    知ったからこそ、より近いものに感じられる

    松本 普段だったら何も考えずに飲んでいたものを、ちゃんと「お茶だ」って。撮影を通じて自分の中でもいろいろ学ぶこともありましたし、いろいろ知った上でのお茶って、今まで生きてきた中でのお茶とまた存在感が違うというか。関わったからこそ、知ったからこそ、またより近いものに感じられているような気はします。

    ―改めて向き合えるというか、物事に対して丁寧になれるような気がしますよね。お二人は普段の生活で「丁寧に」ということを意識することは何かありますか。

    有村 お芝居もそうですし、仕事もそうですし、なるべく誠実に丁寧に物事と向き合いたいなと思っています。人と向き合うことも、丁寧にしていきたいと思っています。

    松本 言葉については丁寧に使っていきたいなと思いますね。誰かに向けた言葉って、良くも悪くも残ってしまうので、できるだけ正直な気持ちで、最適な言葉を使って伝えたいです。大切な人ほどしっかり伝えたいと思うので、言葉は丁寧に選ぶようにしています。

    癒しの時、無になる時

    — 普段の生活の中で五感を使ったり、感覚を研ぎ澄ますというような場面はありますか。

    有村 お芝居が中心にあるから、そこではいつも五感を使ってはいると思います。仕事から離れた時には、美味しいごはんを食べる時とか、植物を愛でている時とか、バスソルトの香りを感じている時とか、癒やしの効果を受けている時に五感が働いていると私は感じるかもしれないです。

    松本 私は、一人の時間ですかね。一人でいる時、ちょっと無になりたい時とか。余計なことを考えないで、ただいるみたいな時とかに、逆に感覚はフルになっているんじゃないかなって今ふと思いました。

    ― 最後に、今回のテーマは新鮮なお茶を届ける「茶レンジャー」ということでしたが、お二人がチャレンジしてみたいことはありますか。

    松本 ベタですけど、英語の勉強とか。チャレンジするなら、あえて普段はあまり触れない、やろうと思わないとできないことかな。

    有村 私はなんだろうな……チャレンジ。撮影の待ち時間に手持ち無沙汰になったりするので、よく本を持って行ったりするんですけど、もっと何も考えない時間を過ごすとするなら、編み物が最適なのかなと最近思っていました。役者さんでも編み物をやられている方たちはたくさんいるので、身近にはあったんですけど、自分は色使いとか、形をつくるとかが苦手なので……。だから向いてないかなと思ってたんですけど、編み物とかって無心になれそうじゃないですか。だから、始めてみたいなという気持ちはほのかにあります。

    有村架純|Kasumi Arimura
    1993年2月13日生まれ。兵庫県伊丹市出身。2010年に『ハガネの女』でドラマデビューし、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』の好演で注目を集める。2016年に『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で民放の連ドラ初主演を果たすと、2017年にはNHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインを務めた。2021年には映画『花束みたいな恋をした』『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』というヒット作に出演、その演技に高い評価を受けている。8月6日は出演映画『太陽の子』の公開が控えている。
    instagram.com/kasumi_arimura.official

    松本穂香|Honoka Matsumoto
    1997年2月5日生まれ。大阪府堺市出身。2015年主演短編映画『MY NAME』でデビュー。2017年NHK連続テレビ小説『ひよっこ』で注目を集め、2018年日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)で連ドラ初主演を務める。その後も『おいしい家族』『わたしは光をにぎっている』『酔うと化け物になる父がつらい』『みをつくし料理帖』などの映画に出演するほか、パーソナリティを務めるTBSラジオ「新米記者・松本穂香の研修ログ。」(毎週金曜11:30頃)が放送中。主演を務めるドラマ『グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』(WOWOW)が8月20日より放送スタート。出演映画『ミュジコフィリア』が今秋公開予定。
    instagram.com/weekly_matsumoto

    Photo: Junko Yoda (Jp Co., Ltd.)
    Interview: Hiroshi Inada
    Text & Edit: Yoshiki Tatezaki
    Cooperation: Kenichi Kakuno (Itoen)

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